最強のふたり☆☆☆ [映画・ドラマ・観劇]
大金持ちの主人公フィリップは事故で首から下が麻痺した障害者。その介護者に雇われたドリスは若い黒人で前科者。全然正反対のような2人の間に段々と友情にも似た絆が生まれるストーリーで、実話を元にしているとのこと。
フィリップが障害なんて気にしていないようにいつもなごやかで笑顔でいるのが印象的。そして時折見せるつらい表情や、ドリスが去ってからの落ち込みが自然で心に迫りました。他の出演作では余り記憶に残っていなかったのですが、良い俳優さん。
ドリスはフィリップに対して変に構えるのではなく、気遣いながらも普通に接するところがすごいなあと感心します。それがフィリップにも嬉しかったということでしょう。一家の娘に見せる優しさや家族との関係もストーリーに奥行きを与えているかなという気がします。
他にもちょっとしたエピソードの盛り込み方も巧みで、誕生日の演奏会も贅沢で楽しいシーンです。脇役の女性介護秘書?の方もとってもチャーミング。
気持ちがふっとほぐれるような楽しい映画で、お勧めです。
今年はまた映画をもう少し観たいなあと思います。
マイ・インターン☆☆ [映画・ドラマ・観劇]
こないだ後輩の女の子と観てきました。多分女性に人気の映画でしょうね。
「プラダを来た悪魔」が面白かったのと、ロバート・デニーロが出ているから。デニーロが出ていないと観なかったかなと思います。
ネット通販のアパレル会社にインターンとして入ったデニーロが、若い女性経営者のアン・ハサウェイを公私共に助け、年齢や性別を超えて段々とお互いを理解し、尊敬しあう2人の姿に好感をもてる楽しい映画でした。登場人物は結構多いのですが、私が印象に残ったのは、ハサウェイの会社でのパートナー役と、振られる可哀想な近所の年輩女性。
実はつっこみどころが満載の映画でしたが、全体としては想定内に収まった面白さでした。なかでも、会社の設定は現代という感じですが、何故か古い価値観も結構出てくるのが不思議でした。ただ、デニーロがあくまでフェアにハサウェイのことを信頼して認めているのが清清しく、そこは女性監督の作品だからでしょうか。同じ監督の「ホリデイ」はちょうどこれからの季節に観るのによい楽しい作品でお勧めです。
今回はデニーロが普通の会社員を演じているというので少し話題になっているようですが、もっと普通っぽいどこにでもいそうなおじさんを演じている映画は他にもあります。もっとつっこんだ人間劇、家族の姿を描いた「みんな元気」です。
改めてデニーロの作品リストを見ていると、「アンタッチャブル」がデパルマ作品なのは知っていましたが、元々デビューがデパルマと組んでだったことは知りませんでした。多分アンタッチャブルのパンフレットは実家にあるとは思いますが、読み直してみようかな。最近はDVDを借りて観ることも段々なくなりましたが、初期の作品も観てみたいなと思います。
アン・ハサウェイは泣いたり笑ったりしたときのクシャっとした笑顔が可愛い女優さんですね。可愛い印象が強いので、これから年齢を経ると、どんな感じの女優さんになっていくのかなあと思います。
ところで、今回のデニーロのインターンはリタイアした年輩者でしたが、若いインターンも他にはいました。アメリカでは多分随分前からこういったシステムがあるようで、私も以前の職場ではやり取りするアメリカ側の担当者がインターンということもありました。
元々日本社会ではインターンのシステムは余りなかったように思いますが、最近では就職前に学生をインターンとして受け入れることが増えているようで、人気の企業では大変な倍率と聞きます。私の前の職場でも有名大学の男子学生を受け入れていた時期があり、その初々しさを見ていると何だか楽しかったのを覚えています。
まあ、インターンを受け入れるのも企業側に余裕がないと難しいけれど、お互いを知る良い機会ではあるのでしょうか。
本作がヒットで2作目が作られるとなると、今回は声だけだったハサウェイのママ役にも登場して欲しいなあと思います。それにしてもママとのちょっとした確執や、葬式デート、何となく既視感ありありの流れでした。何でかな~。
デニーロ、次は一体どんな役を演じるのでしょうか。楽しみです。
映画 ミッション:インポッシブル ローグ・ネーション☆☆☆ [映画・ドラマ・観劇]
映画館に足を運ぶことは滅多になくなったのですが、これだけは、スクリーンで観たいので、先月行ってきました。
今回で本シリーズも5作目とのこと。前作の評判が良かったので、(観たのにうろ覚え。。面白かった)、そのイメージを引き継いだ感じがあるらしいです。けれどこのシリーズの面白いところは監督が毎回変わるところで、今回はユージュアル・サスペクツの監督です。私は1作目のブライアン・デ・パルマ監督のプラハで始まる暗い濃い欧州感が溢れる作品が一番好きなのですが、今作では指令を受ける町 ロンドン?のお店での夜のシーンが時代や場所を超越した感じで洒落ている気がしました。このお店でのシーンは最後に続くので覚えておかなければ。です。
今回も予測通りに最後まで楽しめ、スパイアクション映画、エンターテイメント作品の王道という感じでした。リアルな緊迫感を出すために自らの鍛錬をいとわずスタントに臨むスター、トム・クルーズの努力に感服させられること間違いなしです。CMでも使われていた飛行機の離陸シーンはスクリーンで観るとその大迫力に息をのんで、その後続く楽しみへの期待感で思わず笑みがこぼれるぐらいです。
舞台は本部のあるアメリカ、ロンドン、ウィーン、モロッコといつものように世界を駆け巡り、お金のかかった映画の醍醐味がたっぷり味わえます。
アクションシーンは冒頭の飛行機以外に、潜水、カーチェイス、バイクの疾走などなど。盛り沢山です。なかでも潜水では今回弱みも見せて、超人というより人間味のあるスパイの横顔が垣間見れます。
今までこのシリーズでそれほどだったかなと私が思った作品は主役を演じる相手の女優さんによるところも多かったのかも知れないなと改めて思いました。今回の作品を面白いものにした要因は、トムの相手役イルザを演じたレベッカ・ファーガソンの魅力が大きいかも知れません。イルザはトム達、IMFのメンバーがチームワークで今回対峙するその名もそのままのシンジケートという組織の女スパイです。最初の登場シーンから味方なのか敵なのかハラハラさせられストーリーに緊迫感を与えています。組織の中で唯一の紅一点だけれど甘さはなく、美しいながらにアクションも素晴らしく、色っぽくて、パワフル。知性も感じさせます。少しダイアン・レインに似た表情の女優さんでした。
他には相棒役のサイモン・ペッグのちょっととぼけたキャラクターも味があって楽しいです。
シンジケートの代表、ソロモンを演じた俳優さんは少しハスキーな声が特徴的で印象に残る悪役でした。エイリアンの続編のプロメテウスに出ていたらしいのですが、覚えておらず。
今回映画らしい見せ場ではウィーンの劇場のシーンがゴージャスで魅力たっぷりでした。イルザがシルクのような光沢のロングドレスをたくしあげ、ターゲットを狙うところはなんとも言えず格好いいですし、屋根の上を駆け巡るシーンは普通のアクション映画では観れないのではという気がします。ただ、オペラの舞台裏で観客たちが知らない間にアクションが繰り広げられているという展開は、既視感があるのですが、そういう映画があったのかは思い出せません。最近ですと、英国のドラマ、シャーロックで少し似た印象のシーンがあったか。。
カサブランカの疾走シーンでは、あんなことして歴史ある文化遺産の街を傷つけないのかしら?って思うくらいの激しい動きでした。
ローグ・ネーションとはならず者国家、即ちシンジケートが望む世界という意味だったのか。ストーリーにひねりはなく、今回はシンプルでした。イルザの処遇など、つっこめるところもあるでしょうが、最初から最後まで誰でも楽しめる満点の映画に仕上がっていると思います。興行成績が史上最高らしいのも納得の作品で、もちろんトム・クルーズなしには成立しないスター映画です。
低音で響く大好きなテーマ曲が次に聞けるのはいつなのでしょうか。多分まだ続く感じを残した終わり方でした。一線のアクションから少し遠ざかっても、切り口は他にあるように思います。次作が転換期になりそうな気はしますが早く観てみたい。
お勧めです。
映画「アメリカン・ハッスル」☆☆☆ [映画・ドラマ・観劇]
これも先週DVDにて観賞。1970年代にアメリカであった詐欺事件を題材にした映画。個性派俳優たちの競演、ファッション、音楽。全部がうまく融合して、とっても面白かったです。
のっけから主人公役のクリスチャン・ベイルの姿に目を覆ってしまいそうになりました。この役作りのために20キロ太ったというすごさです。そこに独白で語り始めてかぶさってくる、愛人役を演じるエイミー・アダムスがすごく魅力的です。宣伝には途中のパーティシーンでのクリクリカーリーヘアの写真が多く使われていますが、ストレートロングの方がいいです。これでもか。というような胸元の開いたドレスがとても素敵。
コメディとの説明もあるようですが、コメディ要素を引き受けていたのは、切れるFBI捜査官役のブラッドリー・クーパーかも。あの髪型には笑いました。
クリスチャン・ベイルの妻役を演じた若い女優さんが好評だったようですが、市長の奥さんもとっても印象に残りました。ちょっとシルヴァーノ・マンガーノみたい。そして、市長のあの変な髪形。当時流行っていたのでしょうか。それにしても、根っからの善人役というのが、いまひとつ納得いかず。悪役の方が似合いそう。
詐欺師、マフィアとの流れに、想像したとおり、ロバート・デニーロも登場しました。何度マフィア・ギャング役を演じていることかと思いますが、また一味違った容貌、演技なのが、すごいです。
ストーリーは最初の方の回想説明シーンが長かった以外は、エンディングも私は納得です。結局、人間ドラマ、ラブ・ストーリーなのかなという気もしました。
最初から最後まで、全部の登場人物がエネルギーに満ちてはちきれそうな映画でした。お勧めです。
http://www.youtube.com/watch?v=ruQ1aalRuQE
映画「パッション」ブライアン・デ・パルマ [映画・ドラマ・観劇]
今週末は暇だったし、暑すぎて出かける気もしなかったので、TSUTAYAの無料チケットがあるのを思い出し、久しぶりに映画を観ました。気になっていたデ・パルマのがレンタル開始になっていたので。デ・パルマも久しぶり。2012年の作品ですが、当時もう70代のはずです。
セリフは英語だけれど、最初どこの街の話なのかわかりませんでしたが、ドイツはベルリンだったようです。アメリカの広告会社の出先で働く、多分アメリカ人のクリスティーンがそこのトップ。お洒落なブロンドで、笑ったらくしゃっとなる顔が可愛い女性。けれど、自分の出世のためには周りを犠牲にする冷酷なステレオタイプとして描かれています。
ノオミ・ラパスが演じるのがその部下で主人公。いつも黒尽くめ。黒尽くめがミレニアムを思い出します。
この2人にナオミの部下の女性や、クリスティーンの恋人を交えて、主に会社を舞台にストーリーは進みます。目を掛けてもらって嬉しいけれど、痛い目にも合う主人公。クリスティーンを信じたり憎んだりを繰り返している感じですが、その感情は表情の演技だけでセリフでは余り表現がありません。
途中から段々照明が暗くなり、こんな会社で働けないだろうとつっこみたくなりましたが、これもデ・パルマの表現方法。主人公の無表情が怖いです。
なかなか楽しめる映画でしたが、残念なのは、何となくクリスティーン役の女優さんが、そんなエグゼクティブに見えない感じなこと。それに、その部下のはずだけれど、ノオミ・ラパスの方が老けて見えます。俳優さんの実年齢は1つ下ですが。よくしてくれている上司の彼氏に手を出してしまい、しがみつくところも理解不能。そういう展開ならもう少し若さ・未熟さの感じられる女優の方が説明がつくしよかったかも。いい女優さんですが、なんだか全然女性が感じられない不思議な方ですね。それがこの作品に採用になった理由かも知れませんが。
駄目な弱い男性のダークもいい感じでしたが、女性のみが出てくる印象が強い映画です。主人公たち2人の女性の演技合戦という感じ。
私はどちらかというとクリスティーンの方に好感が持てました。ミッドナイト・イン・パリにも出ていた方です。
つっこみどころはありますが、全編デ・パルマ色が濃厚な、エロス・ラブも散りばめられたサスペンスに仕上がっています。R15指定だったようですが、それほどのシーンはないように思いますが。
デ・パルマ好きなのに見逃しておられた方がいればお勧めです。
タイトルのパッションの意味がわからないとの指摘もあるようですが、主人公の暗いパッションよりも、クリスティーンの貪欲さが印象に残った映画です。
独・仏作品だからか、欧州色も出ているような気がします。アメリカ映画に飽きたサスペンス好きな方にもお勧めです。ベネチア国際映画祭で金獅子賞を取っているだけあり、見ごたえありです。
映画「ウルフ・オブ・ウォールストリート」☆☆☆ [映画・ドラマ・観劇]
実在の元証券マンの自伝が原作で、R18の過激作品。金と女とドラッグで、やりたい放題のアメリカのバブルが描かれています。時代は少し前のブラックマンデーからの80年代、90年代。男性のスーツやディカプリオの一人目の奥さんのスタイルがいかにもの時代感をかもし出しています。
最初から最後までディカプリオがでずっぱりで、怪演・熱演です。時々カメラ目線で観客に話しかけたり、心の中の声でも1人語りをしてみたりの演出。3時間ぶっ通しで、やりすぎの、ふざけた自伝のブラックコメディです。監督も喜んで遊んでいるのではというようなシーンも多々。何でここでこんなにひっぱるかな~っていうような。
今月一杯はやっているようですが、長いので1人で見れる方はDVDになってからでも。けど、家族がいる方は何せR18なので、劇場に足を運ばれた方がよいと思います。スクリーンの方が楽しめるであろう見所も結構ありますので。
結局この映画で作り手側が言いたかったのは、これがアメリカ。ということでしょうか。
終わりの方のシーンで、ディカプリオに指摘された通り、FBI捜査官が裕福とは思えない乗客ばかりの地下鉄車内を眺めるシーンの解釈を私はそう受け取りました。成功して冨をつかむのも、どんな人生を選ぶかはあなた自身。ということ。
それにしても、あのアフリカンミュージックのラップのような、耳に残るテーマ?ミュージックが、最初の方に出てきたマコノヒーのアドリブなんて。。頭の中で鳴り響く、ブンガブンガブンガ~。
後から調べると原作者自身も出演しているそうです。どこだったか、よく覚えてはいませんが。当時実際に開催されたパーティの映像もYou tubeではアップされていました。
それにしても、ジャンゴを上回るディカプリオの身体を張っての演技には、びっくりでした。見た方にしかわかりませんが、最高の笑いどころ、車のシーンや電話のシーンでは、笑いたかったけれど、余りに静かだったので、ヒクヒクしそうでした。
しかしながら、この作品で念願のオスカーはないでしょうか。。面白さは抜群ですし、訴えかけるものも確かにあるのですが、アカデミーの感動作品ではないような気がします。私が見たディカプリオの映画の中で一番作品として良かったと思うのは、ブラックダイヤモンドでしたが、あれはあれでテーマが壮大すぎたし。。
タイタニックで人気に火がついた頃、何でこんなんがええんか、わからんし、ディカプリオの映画なんか見~ひん。とか言ってたのを、撤回させていただきます。
皆でディカプリオを応援しましょう。とってもいい俳優さんになりましたよね。
この映画はバブル世代が見たら余計に感慨深いかも知れません。映画好きにはお勧めの作品です。
追記:2月21日 本作、今日のニュースによると出演者のモデル(主人公ではなし)の方から、描写がひどいと訴えられたようです。災難。
3月3日 やっぱり今年もオスカーはのがしたようです。残念!
映画「昼下がり、ローマの恋」☆☆☆ [映画・ドラマ・観劇]
3つのストーリー、それぞれ面白かったです。
カップルでは見ないことをお勧めするっていうようなコメントをしていらっしゃる方もあるみたいですが、そうでもないかなと。
単純な恋愛コメディかと思っていたのですが、もう少し人生の色々、生き方を考えさせられるストーリーでした。
特に1作目が、良かったです。若い(ということになっていますが、30代後半にも見える)カップルの彼の方が出張先で。。。というお話。町の雰囲気が楽しかったです。青春の終わりというようなほろ苦い気持ちが残ります。あれから、将来はどうなるのかなとも少し思わせるストーリー。
2作目はかなりコメディですが、最後の方はちょっとしんみりするところも。
3作目がデニーロと美女モニカ・ベルッチ主演です。ただ、この中で3作目が私の点数はちょっとだけ低いかも。でも、大学教授役のデニーロは生き生き楽しそうに演じて、セリフもイタリア語。
ほのぼのして、笑って、ちょっとしんみりして、楽しめます。
ゆっくりおやすみの日にレンタルして見るのにお勧めです。
ロバート・デニーロの映画「みんな元気」他 [映画・ドラマ・観劇]
最初の方のシーンを見ていると、え、どこにデニーロ出ているの?って少し思ってしまうくらい、そこらのスーパーにいそうな、七三分けの白髪の普通の初老のおじさんでした。どこかわからないけど、片田舎の感じのよい広い一戸建てに、妻を亡くして独りで暮らすデニーロ。
娘2人、息子2人はNY、シカゴ、ラスベガス、とどこだっけ?アメリカ大陸にバラバラに暮らしています。
折角の週末にバーベキューを楽しみにしていたのに、誰一人も帰ってこずにがっかりして、反対に子供たちの家を回って旅行することにした、デニーロ。着ている服も、持っているカメラも、表情も、体型も、田舎から出てきた普通のおじさんです。さすが、なりきりデニーロ。
幾つになっても子供を思う親、それぞれ頑張っているけれど、事情もあるし、親を心配させたくない子供たち。
それに、母親よりも仕事一筋で厳しかった父親に対しては、少し気詰まり。
たった1泊で追い出されても、にっこり笑って、幸せかいと尋ねるデニーロに少し涙が出ました。
最後にたずねた娘、ドリュー・バリモアは歓迎してくれている様子ですが、デニーロの方が早めに帰ってしまいます。
息子の一人は友達に借りてみた、デビッド・ボウイの息子の変わった映画に主演していた人みたい。
デニーロと言えば、先日「マラヴィータ」を見たばかり。いろいろな意見はあるみたいですが、私は単純に面白かったです。マラヴィータを見た後だから、この映画の普通の元サラリーマン役は、余りに違って、デニーロの演技力に改めてびっくり。
言わずと知れた名優ですが、かなり出演作が多いし、犯罪映画の印象が強いけれど、色んな役を演じる俳優さんですね。コメディにも出ているし、ケープ・フィアーのような悪役にも。
因みに、私はゴッドファーザー、ちゃんと見ていません。マラヴィータはちょっとゴッドファーザーへのオマージュみたいなシーンもありましたが。
今回の役は、少しだけオムニバス映画の「ニュー・イヤーズ・イブ」の父親役を思い出しました。
歴史物が思い浮かばないのですが、「タクシードライバー」と同じ年に公開されている欧州大作のイタリア歴史物「1900年」位でしょうか。
見たいなと思って見ていないのは、恋愛物らしい、「昼下がり、ローマの恋」
デニーロ主演なのに地味だからか、本作は劇場未公開だったようです。
ラストシーンはクリスマス。これからの季節、実家に帰ったり、行く年、来る年、家族のことを考えることがあるかと思います。そんな季節にぴったりの映画かも知れません。
ところで、この映画の中でワンシーン、何これ?って思うところが。可愛いシーンだけど、意味はないのか、前振りなのか。。。ポイントです。
華麗なるギャツビー グレート・ギャツビー ディカプリオ版 [映画・ドラマ・観劇]
どちらかというと、レッドフォードとミア・ファーローの主人公の方が上品な感じがするし、もしかしたらがっかりするかもと思いながらの観賞でしたが、期待以上に良い映画でした。
パーティシーンが桁外れで大げさ過ぎるかもと思いましたが、それ以外はストーリーも配役も全て良かったです。特にデイジー役のキャリー・マリガンが若すぎるかなと思っていたのですが、裕福であるがゆえに我儘で可愛い、かつ残酷な主人公にぴったりでした。
ディカプリオは成金っぽいところが似合っているし、他人から見たらこっけいにさえ思えるときもある一途で純粋な主人公ジェイ・ギャツビーにぴったりでした。語り手のトビー・マグワイアも、嫌味なデイジーの夫も、ゴルファー美女も巧かったです。
レッドフォード版の記憶があいまいなのですが、今回の作品の方が、ストーリーを細部にわたって説明してくれており、それが意外でした。デイジーの友達のゴルファーや、ニック(トビー)がデイジーの従妹でお膳たてをするところなど。NYのホテルの部屋でのうだるような暑さの中で追い詰められる主人公たちのやり取りは決定的です。2時間以上あるのは、そういったところにも時間を割いたからかも知れませんし、長くは感じませんでした。
映像も最初の始まりのシーンから最後のシーンまで、綺麗でよく考えて構成されていました。特に印象に残ったのは、パーティが終わったあとに、ボーイ達が屋敷を片付けているシーンと寂しそうなギャツビーの姿。レッドフォード版の再現のシャツのシーンもありました。
ストーリーがわかっているため、ディカプリオがデイジーのことを思う幸せそうな笑顔が初めて大写しになったシーンでは、思わず涙がこぼれそうになりました。
壮大で哀切なラブ・ストーリーで、お勧めです。
また、レッドフォード版も見直したいなと思いました。原作も村上春樹版は読んでいないので、いつの日か。
写真は公式サイトから。
「ジャンゴ 繋がれざる者」☆☆☆☆☆ [映画・ドラマ・観劇]
待望のタランティーノ作品、先日見てきました。3時間近くの長丁場でしたが、出だしの音楽を聞いたときから、ワクワク感は最高潮。その後も、字幕の入れ方まで、最初から最後まで、全てが面白く期待通りで、大満足でした。
前にツイッターのつぶやきで、タランティーノが今度はマカロニウェスタンを撮ると聞いたときは、何でマカロニウェスタン??と頭の中がしばらくクエッションマークで一杯でしたが、納得。
大ざっぱに説明すると奴隷制度のある時代に、理解のあるドイツ人医師に自由にしてもらった黒人主人公のジャンゴが、医師と一緒に賞金稼ぎの旅に出て、最後は妻を捜して白人に復讐するというストーリー。
パンフに基づく、事前に仕入れておいた方が良い情報を書き出すと。。。
1.ジャンゴはマカロニウェスタンで伝統的に?使われる主人公の名前。一番最初に演じた俳優さんが、カメオ出演しています。ジャンゴに名前のスペリングを聞くシーンだそうです。知らなかったので、どんな方だったか思い出せない。。
2.ストーリーに散りばめられている風習・エピソード・史実は、事実もあれば、創作もあるようです。時代が相前後していることも含んでいます。タランティーノなりの歴史の解釈、観客へのアピールともとれるかも。
3.レオが血を流しているシーンは本当に出血しての迫真のアドリブらしいです。それをきっかけにタラ様と不仲説もあり。
4.長いので終わると思わずトイレに立ちたくなりますが、ちょっと我慢してエンドロールを見ましょう。よくわからないおまけがあります。
この映画の紹介やレビューを読むと、どれを見ても、農園主を演じたレオナルド・ディカプリオが稀代の悪役残虐非道と書かれているようですが、私は正直そうは思えませんでした。
ピッタリの役なのですが、彼のセリフにもあるように、子供の時から黒人と一緒に暮らしてきたという環境。レオの世界に入っていくと、普通に召使としてきれいな格好をして屋敷で働いている黒人が沢山。奴隷というよりは、もう少しよい待遇に見えました。残虐なところはあっても、ビジネスを重んじるのはわかるし、他人の意見も受け入れ、過激な部下を諌める知性も、ユーモアもある人物として描かれていると思うのですが。。。ちょっと可哀想なぐらいでした。演技は抜群。自ら志願しただけのことはあります。
屋敷に帰って年増の姉君に呼びかけるシーンはたまりませんでした。
もちろん、他には主人公のジャンゴも、レオ様に仕える黒人執事?役のサミュエル・ジャクソンもすばらしい演技でした。
タランティーノ作品常連さん以外にも、結構有名な俳優さんが。ドン・ジョンソンって昔のテレビドラマでよく見て顔が懐かしいような。でも、農園主の顔がそっくりに見えて、違いがわかりませんでした。
とにかく、タランティーノが好きなら、ゲラゲラ笑ってしまうシーンがいくつも。(もしかしたら、こないだの映画館では笑ってるのは私と友達だけのシーンもあったかもですが)にんまりしてしまうセリフも沢山。それが、残虐殺戮と両立しているところが、タランティーノの真骨頂かもと思いました。
血まみれ殺戮の方は相変わらずですので、嫌な方はお気をつけください。
ところで、早めにシートに座ったので、入ってくる観客を眺めるともなく眺めていたのですが、もしかして、タランティーノ好きというより、本当のマカロニウェスタンと間違えて見に来てるのかというような年輩の男性が結構多かったです。感想はどうだったのか気になるところです。
キル・ビルはどうしても理解できないのですが、タランティーノのほかの監督・脚本作品はどれも大好きです。ただ、1本だけ観ていないのがあるので、借りてみようかなと思っています。
歴史物3部作の1作目が、今回のドイツ人役も演じたクリストフ・ヴァルツも出ているご存知ユダヤがナチスに復讐する「イングロリアス・バスターズ」、2作目が本作ジャンゴ。3作目はノルマンディー上陸の黒人兵の話だそうです。今度は欧州の戦争の歴史をどう変えるのか。楽しみ。
それにしても、タランティーノ、太りましたね。先日のアカデミーの放映をみても、今回の出演シーンを見ても。(もちろん出演しています)
ところで、時々やたらアップになっていたセリフはほとんどない若い黒人奴隷の俳優さん、男前ですが、有名な方?あのアップで何を語ろうとしていたのか。。。単にタランティーノも男前が好きなだけなのか。。。疑問です。
そうそう、パンフレットの小さな字を必死で読み進めると、「パルプ・フィクション」のトラボルタの役が、最初はダニエル・デイ=ルイスが予定されていたと有るのを読んでびっくり。ありえないだろう。。。トラボルタに変えたタランティーノえらし。
史実そのままではなくとも、黒人差別、奴隷制度を扱うということで、本国アメリカでは、スパイク・リーが反対したり、ひと波乱は呼んだ作品だそうです。けれど、普通の日本人から見れば、英語の差別用語もそんなに気にならないでしょうし、決して暗いストーリーではありませんので、その点ではご安心。
万人向けではありませんが、私としては大絶賛のお勧めです。