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春信1番!写楽2番!浮世絵名品展 [美術他展覧会など]

先週末、見てきました。

アメリカはフィラデルフィア美術館所蔵の名品が公開されるのは初めてとのこと。
タイトルは2人の代表絵師の名前になっていますが、他にも沢山の絵師の様々な形態の作品が出ていました。すごい人ごみで時間もあまりなかったので駆け足で見た感じですが、浮世絵の歴史を網羅しているようで見ごたえのある展示です。

なかでも、鳥居清長の美人が勢ぞろいした大判の浮世絵や、喜多川歌麿の優雅な美人画は、印象に残りました。

浮世絵は江戸時代の庶民の楽しみ。肉筆の浮世絵もありますが、ほとんどが印刷物です。ブロマイドのような役者絵や、実在の人物をモデルにした美人画、風景画であったり、風刺や本の挿絵だったりです。技術の進歩により段々色数が増えていき、時代と共に色調や印象が変わります。今見ることができる浮世絵は印刷や保存の状態は様々でも、薄っぺらい和紙に刷られた江戸の昔の物でありながら、意外にも沢山残っていることに驚きます。印刷物であるが故でしょう。画廊でも浮世絵を扱っているところはあり、有名な絵師の作品でも少し余裕があれば簡単に手に入れることのできる金額なのも不思議な気がします。欲しいなと思いながら、その品質を見極める目もないし、どこに飾るんだと思うと気がひけて実際には手にしていませんが。。

春信の描く恋人達はふっくらとしたうりざね顔に涼しい細い目で小柄な少年少女のような印象。少し男女の区別がつきにくいような容姿です。特徴的で少し数を見れば春信だと見分けがつく気がします。


東洲斎写楽はその出自が謎のままの有名な絵師。四国の武士だったという説が有力なようです。デフォルメされた大首絵はなんとも奇妙で本当に人気があったのでしょうか。

北斎と広重は一緒に展示されていることが多くないでしょうか。美人画などではなく、どちらかといえば風景を多く描いた絵師。広重は東海道シリーズで有名です。
どちらの絵師もデザインセンスが抜群だと改めて思いました。小さな画面に切り取った雄大な景色は目で見たままではなく、美しく整えられ、少ない色数でも雄弁に語りかけてきます。

 反対に、色んな制約がある庶民の芸術だったからこそ、絵師の実力で作品のレベルの差が大きいのかもしれません。


ところで、前にも書きましたが、TSUTAYAは有名な浮世絵の版元、蔦屋に因んだ名前だそうです。現代の文化をプロデュースするという心意気があるようです。

浮世絵は当時の世相を反映したもの。版元の名前も入っていますし、カットされたもの、本当は揃い組だったものもあったりするようです。歴史やそういう情報も読み取れるようになると、もっと楽しめるのかなと思います。

大阪の開催は本日までです。

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