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小保方晴子「あの日」 [本]

読んじゃいました。仕事帰りに寄った大きな書店では見当たらず、近所の小さな本屋で最後の1冊でした。大きな声で書名を言われて、やっぱりちょっと恥ずかしかった。。

一体あの大騒ぎは何だったのか、小保方さん以外に責任はなかったのかとの疑問があったので、読んでみたかったのです。

検索してみると、この手記を出したことで、こんな本書かずに早稲田の論文の方を書けばよかったのでは、人が死んでるのになど、また大批判バッシングがネット上ではあるようです。

一言で感想をまとめると読み物として私は面白かったです。研究や実験の過程についても丁寧にわかりやすく書いてあり、各章のタイトルやコピー、仕上げは出版社でしょうが、ご本人が書いたのだろうと思われます。

暴露本、若山教授を悪者にした言い訳本、との評があるようですが、そうでもない感じがします。若山さん以外に理研の方、マスコミ等、複数名が実名で登場しますが、おそらく既に報道やネットで名前が挙がっていた方々なので、実名扱いとの最終判断をしたのではないでしょうか。

小保方さん側の陳述なので全てが事実かどうかはわかりませんが、ある程度事情は推察できる内容でした。会話等かなり詳細かつ具体的に書かれている箇所も多く、おそらくそれらは事実かなと思われます。

若山さんについては普通に報道を見ていても、この人なんで翻ったの?と思えましたが、そのままだっただけのようです。大宅賞を取った毎日新聞記者やNHKの報道の情報源は理研内のリーク者と若山さんからだったようです。若山さんは既に理研を離れていたため、小保方さん他とは違って自由に発言することができ、保身を図れたという事は納得がいきます。NHK、毎日は元々こういう科学方面や医療過誤等々の路線に力を入れている、反対の立場から言えば、またか、しつこいというのは、聞いたことがあります。

私は科学、この研究についてもさっぱりわかりませんが、おそらくSTAP細胞の定義に各々ずれはあって、STAP細胞はないかも知れないが、あることを否定も出来ないという状況に変わりはないのかなと考えます。捏造の動機がないので、単に研究室内部の管理のずさんさが原因で、それを追求されたくないので、若山さんが早めに保身で幕引きしたような印象を受けました。

騒ぎがここまで大きくなったのは、小保方さんの所属が理研で正式に採用されるまではハーバードで理研でも若山さんの下にいたときの立場がややこしかったこと、論文の権利関係もハーバードが入っていたことなどから、事情が複雑化したのかと推察します。結局、最初は小保方さんの未熟さ、杜撰さ、周りの指導・レビューの足りなさから起こって、その時点で火消しできればよかったのに、色んな条件が重なって問題がより大きくなっていき、それに報道や世論が拍車をかけて影響したという事のように思えます。

ところで、私の周りの理系の方々の意見は、「あんな杜撰な論文のコピペ図表改ざんは絶対やっては駄目と大学で最初に習ったので信じられない。でもこの本読んでみたい」「論文のコピペはやっぱりあるから。。。(これは複数名です)」「こんな本出さずに実証すればよいのに」等々です。う~ん。

図表に関しては、正直故意の改ざん等しなくても、間違いが起こることを100%は避けられないと私自身は思っています。身近でも起こっています。何十という図表があって、少しのデータの差で僅かに違うものを論文の中に取り込んで行く時に、ファイル名の誤認や入れ間違いで起こりえます。改ざんとまで行かなくても元データの精度が低かったり、ネット投稿の際の基準で劣化が起こる等あれば、濃くしたりはあり得るかと思います。

実験ノートについては全てが公開されている訳ではないし、今あるものだけでは批判は出来ないでしょう。全てをオープンにしたら発明の意味はありませんので。

また、余談ですが、特許については大企業でしたらものすごい数の出願をしていますし、そのうち製品化されるものは少ないようです。特許出願も論文提出も予算上期限があることは仕方がないことで、期限に案件が集中し、それが間違いを招く要因のひとつにはなるでしょうか。因みに本発明の特許出願は一部公開されているので、国際特許庁WIPOもしくは欧州特許庁EPOのESPASで名前検索したら簡単に見ることができます。バカンティ氏側主導で主要国に出願されており、まだ放棄にはなっていないようです。理研はおそらく権利譲渡したようですが、少なくとも当初出願時に出願人になっているので、やはり可能性は否定していなかったということでしょうね。

次に理研での採用方法も問題視されているようですが、普通の企業であっても紹介・推薦がありますし、その方がよりよい人を採れる場合もあるとはいえます。正式採用の前に既に理研で働いていたのであれば、一概に悪いとも何とも言えないなあと思います。それと、理研については一般企業ではないので、私達が想像するよりはるかに勤務条件も厳しいようです。ただ、女性でも能力があれば積極的に採用して活躍の機会が与えられるのは間違いないようです。

小保方さん個人については、やはり優秀なのは間違いはないでしょうし、何とか立ち直ればよいのになあと単純に思います。英語の論文何十本読むだけでも無理ですが、ハーバードで研究をして評価されるというのはとんでもないことですし、並大抵の努力ではないでしょう。

本書については、こういう本人の陳述ではなく、中立の立場の人が聞き取る形での対談形式にして、メール等の証拠も掲載すればよかったのにという声もあるようです。まあそうできれば一番良かったのでしょうけど。

本を出さずにSTAP作れといわれても、この状況で施設・資金を提供してくれる企業・研究所が出てこないでしょうから、研究を続ける、本当にSTAP細胞を作るのも難しいのか。また世界のどこかで似たような細胞が発見されてニュースになる日はやってくるのでしょうか。。

スケープゴートのようにいまだに続くバッシング。

真実はあなた方を自由にする。との聖書、ラテン語の格言がありますが、この本を書いたことで、少しでも心が軽く自由になれて、次に進めるきっかけになることを祈るばかりです。


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