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となりのセレブたち 篠田節子 [本]

今年も残り少なくなりましたが、大掃除もしておりません。。。
本も全然読まなくなってしまいましたが、久しぶりに短編集を読みました。
篠田節子さんらしい想定内の面白さ。現代のような近未来のような、世紀末的な社会を舞台にしたシニカルで時に少し怖いお話が集まっています。

1つ目のトマトマジックはドラッグをモチーフにした作品。知らずに食べたセレブな主婦たちの心の奥底が見えてきます。人間描写が面白いお話です。タイトルは一番新しいこの作品からとったのかなと思います。他の主人公達はセレブとは関係ない気がします。

蒼猫のいる家は他にもコメントされていた方が居ましたが、小池真理子さんの小説に出てきそうな女性が主人公でちょっと神秘的な印象です。

ヒーラーは最近ニュースになっていた謎の海洋生物のサルパを連想させ、さすが。と思いました。余りに辛らつな描写にちょっと笑ってしまうぐらいです。視点を変えると似たようなことは今もあるのかなと思いました。

人格再編が心に一番ずしんと落ちてきました。老齢社会のこれからをテーマにしています。少ししか出てきませんが、主人公の家族の俗物として描かれているごく普通の主婦の感覚の描き方が巧いなと感じ、人間ってそういうものかなと思わせられました。

最後のクラウディアは犬の名前。これは少し他の長編を連想させました。蒼猫とこの作品の2編は少しカラーの違うストーリー。

タイトルが適切かの判断は難しいですが、バランス良く楽しませてくれる短編集でした。書かれた年代は1999年から2011年とバラバラ。ヒーラーも2003年の作品なのが驚きです。

どの作品も短いのでさらっと読めてくすりと笑えるところもあるのですが、面白いだけでは終わらないのが、篠田さんの凄さかなと思います。

年末年始はきくちいまさんの本と読みかけのままのしゃばけシリーズを読む予定。


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yam

後れ馳せながら、新年明けましておめでとうございます。

本年も昨年同様、宜しくお願いします。
by yam (2016-01-03 19:51) 

tamaiberry

yam様

あけましておめでとうございます。有難うございます。
年賀状と格闘しているうちに中途半端な記事で年末しめてしまいました。
本年もどうぞよろしくお願い致します。
by tamaiberry (2016-01-03 23:39) 

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