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映画「パッション」ブライアン・デ・パルマ [映画・ドラマ・観劇]

今週末は暇だったし、暑すぎて出かける気もしなかったので、TSUTAYAの無料チケットがあるのを思い出し、久しぶりに映画を観ました。気になっていたデ・パルマのがレンタル開始になっていたので。デ・パルマも久しぶり。2012年の作品ですが、当時もう70代のはずです。

セリフは英語だけれど、最初どこの街の話なのかわかりませんでしたが、ドイツはベルリンだったようです。アメリカの広告会社の出先で働く、多分アメリカ人のクリスティーンがそこのトップ。お洒落なブロンドで、笑ったらくしゃっとなる顔が可愛い女性。けれど、自分の出世のためには周りを犠牲にする冷酷なステレオタイプとして描かれています。

ノオミ・ラパスが演じるのがその部下で主人公。いつも黒尽くめ。黒尽くめがミレニアムを思い出します。

この2人にナオミの部下の女性や、クリスティーンの恋人を交えて、主に会社を舞台にストーリーは進みます。目を掛けてもらって嬉しいけれど、痛い目にも合う主人公。クリスティーンを信じたり憎んだりを繰り返している感じですが、その感情は表情の演技だけでセリフでは余り表現がありません。

途中から段々照明が暗くなり、こんな会社で働けないだろうとつっこみたくなりましたが、これもデ・パルマの表現方法。主人公の無表情が怖いです。

なかなか楽しめる映画でしたが、残念なのは、何となくクリスティーン役の女優さんが、そんなエグゼクティブに見えない感じなこと。それに、その部下のはずだけれど、ノオミ・ラパスの方が老けて見えます。俳優さんの実年齢は1つ下ですが。よくしてくれている上司の彼氏に手を出してしまい、しがみつくところも理解不能。そういう展開ならもう少し若さ・未熟さの感じられる女優の方が説明がつくしよかったかも。いい女優さんですが、なんだか全然女性が感じられない不思議な方ですね。それがこの作品に採用になった理由かも知れませんが。

駄目な弱い男性のダークもいい感じでしたが、女性のみが出てくる印象が強い映画です。主人公たち2人の女性の演技合戦という感じ。
私はどちらかというとクリスティーンの方に好感が持てました。ミッドナイト・イン・パリにも出ていた方です。
つっこみどころはありますが、全編デ・パルマ色が濃厚な、エロス・ラブも散りばめられたサスペンスに仕上がっています。R15指定だったようですが、それほどのシーンはないように思いますが。
デ・パルマ好きなのに見逃しておられた方がいればお勧めです。

タイトルのパッションの意味がわからないとの指摘もあるようですが、主人公の暗いパッションよりも、クリスティーンの貪欲さが印象に残った映画です。
独・仏作品だからか、欧州色も出ているような気がします。アメリカ映画に飽きたサスペンス好きな方にもお勧めです。ベネチア国際映画祭で金獅子賞を取っているだけあり、見ごたえありです。


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